チタンについて
               

 

ホーム 上へ 快削チタン合金DAT52F Ni-Ti合金 チタンについて

チタンの歴史

 原子番号22、元素記号Ti。チタンは、鉄、アルミニウム、マグネシウムと並び、あらゆる分野で活躍し、他の金属に比べて軽量・高強度・耐食性に優れるなど、多くのメリットをもつ最先端の実用金属です。宇宙・航空機用材料から各種プラント設備、建築材料、身近な生活用品に至るまで、その用途・可能性・夢は、限りなく広がっています。
18世紀イギリスの海岸で発見された黒い磁性鉱物、それがチタンでした。
 最初にチタンを見つけたのは、イギリスの寺僧で鉱物学者であったウィリアム・グレゴーとされています。1790年、「メナカン海岸」で採取した磁性のある黒色の砂に新しい金属元素があると推定。この未知の元素を、発見地にちなみ「メカナイト」と名付けました。チタンが世に出る始まりです。
神々によって封じ込められた元素として、巨人「タイタン」が名前の由来です。
 グレゴーの発見から5年後の1795年、ドイツの科学者クラプロートがルチール鉱(金鉱石)の成分分析により、特異な性質を持つ酸化物であることを見出し、新しい金属元素としてチタンと名付けました。この命名はギリシャ神話に由来し、オリンポスの神々との戦いの敗れ、巨人「タイタン」は地底に封じ込められたという話から、鉱石中に存在した(封じ込められていた)元素を「チタン」としたのです。
純粋なチタンを得るのには、100年を超える年月がかかりました。
 発見当時はチタンの酸化物を鉱砂から抽出しただけで、今日のように純粋な金属チタンを取り出すことはできませんでした。その後、多くの科学者が挑戦しましたが、不純物を取り除くことができずに終わっています。しかし1910年アメリカの化学者ハンターが、ついに純度99.9%のチタンを抽出することに成功。これによってはじめて、純粋な金属チタンが世の中に誕生しました。
工業的生産は、マグネシウム還元方によって始められました。
  実際にチタンが金属材料として実用化され始めたのは1946年あたりからです。「ナトリウム還元法(ハンター法)」をもとに、1946年にルクセンブルクの冶金学者クロールが「マグネシウム還元法(クロール法)」を開発し、工業的に大量生産することが可能になり、以後この2製法共存時代を経て、今日ではこのクロール法が一般的な精錬法として採用されています。この方法で作られるチタンは、スポンジ状になっていることからスポンジチタンと呼ばれます。
チタンの特徴
チタンはアルミニウムよりも1.5倍重いが、硬さがアルミニウムの6倍高い銀白色の金属
空気中では600度まで安定で、水の中でも80℃以上でないと腐蝕しない
チタンは塩水、酸化性の酸、アルカリにもよく耐え、極めて腐食されにくい
チタンは合金としてすばらしい性質を発揮する(先端技術に不可欠な金属)。軽く、耐熱性が高く、硬い材料として、モリブデン、クロム、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル等との合金が作られている。
鉄との合金(フェロチタン)を溶鋼に添加すると鋳造品の品質が向上する
高純度・純白の二酸化チタンは全波長の光を反射するため、白色顔料として利用
真空イオン化処理など物理表面処理で表面硬化が可能
チタン合金は耐食性のある酸化物で覆われていて人体への影響が少ない(医療分野や、各種装身具に利用される)
液体の四塩化チタンは発煙性がある(飛行機より空中文字を描くための着色性発煙剤に好適)
チタンの用途
輸送機器 航空機、機体、ジェットエンジン、ミサイル、ロケット部品、ヘリコプター、リニアモーターカー
火力、原子力発電用の復水器 復水管、管板
産業用機器 油化学用配管、塔櫓、熱交換器、プレート式熱交換器、切削工具
電解反応用機器 ソーダー電解の電極、触媒
電子・情報機器 燃料電池、磁気ディスク
建材 屋根材、モニュメント、架橋ケーブル
医療部品 人工骨
その他 鉄鋼添加材、塗料、印刷インキ、合成樹脂、製紙、化学繊維、ゴム、ガラス部品、スポーツ用品、装飾品、
 

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